評価経済社会=新しい貨幣の創造
昨日id:yoshi78と話しててうまく説明できなかったことの補足。
評価経済って貨幣が無くなる、ってことではなくて新しい貨幣を作るってことじゃないのかなと。
現在の貨幣は為替市場が成立した時点で「金本位制」から「国家本位制」にシフトした。「カネの価値」は最終的に「国家への信頼」が担保していて、通貨を発行している国家自体への信頼が失われれば通貨は紙くずと化す。逆に信頼が増せば通貨自体の価値も上昇し円高になったりする。
で評価経済へのシフトとは「カネの価値を担保するものは何か」というところが変わることを意味していて
金本位制→国家本位制→?本位制
と次にくるのは何かというので人への評価、つまり「人本位制」の成立を予言したものではないのかと。
でこの「人本位制」による通貨の成立に、今最も接近しているAKBファンが大量に買い大量に投棄している「CD」を例にその具体的イメージ。
もうあれってCDである必要はまったくないよね。日本円でAKBポイントを買う、にすればあんな無駄をする必要はなくなる。
もしCDの替わりにAKBポイントを発行してそれをファンが日本円で買い、そのポイントに応じて握手券なり投票権を得るというシステムになったとする。そしてそのポイントをAKBファン同士で「交換」できたとしたらどうなるか。
酒を作ってるファンAがいる。彼はそれまで酒を売って得た日本円でCDを買っていたけど、AKBポイントができればそのポイントを持つファンBにポイントと交換で酒を売れる。
AKBほどの規模と価値を感じる人の熱量があればこれは実現可能だろう(法的問題は置いておくとして)。ファンの中のみでの物流ができて、AKBポイントを軸に生活に必要なものをある程度揃えることができるようになる。
もっともそもそもポイントは日本円で買うというのが最初にあるから、AKBポイントの価値を担保してるのは日本円なわけで、これではまだ今までとそう変わってはいない。
次にこのような人を軸にした共同体内にのみ流通する通貨がたくさんできていく世界を想像する。そしてそのそれぞれのポイント間の変換、為替市場が成立したらどうなるか。具体的には例えばそこで成立したAKBポイントをニコニコポイントに変換できたら?
もはやAKBファン内で完結するものではなくなるよね。ファンじゃなくてもAKBポンとを持とうとするかもしれない。為替市場が成立すれば、AKBファンが拡大すればするほど、そしてその価値をより強く信じる人が増えるほどポイントの相対的価値も上がっていく。ポイントを持つ人の行動原理としてファン層を拡大すべく布教しはじめたりするかもしれないし、株のようなものとして投機的に持とうとする人もでてくるかもしれない。
そしてここまでくればもう日本円は最終的には必要なくなってさまざまなポイントのみで、そして最終的にその価値を担保するのが人(共同体)というイメージにだいぶ近づく。
ただAKBはその資格が一番あると思うけど、多分こういう状況は起こらない。秋元康にそんな理念はないだろうから。
逆にまだ資格はないけど理念があるのが評価経済論者でオタキングEXをやってる岡田斗司夫だろう。
社員が一万円を払って入会し岡田斗司夫の価値を高めるべく日々活動する。
いったいこの人たちの行動原理が何なのか、まったく見えない。宗教じゃんという人もいる。
でも岡田斗司夫は独自通貨の発行というのをどうも視野に入れているようなのだ。今はないけどもし上で書いたような状況が成立したら、そしてオタキングEXで社員が一万円払う代わりに一万岡田斗司夫ポイントをもらい、その内部での流通が成立するようなことになったなら、彼らの行動原理はなんら不思議のないものになるんじゃないかなと思う。